-エリエル=バイア-



 火星総合医学会の帰り。気が急いていたエリエルは、普段は使わない幹線道路をクルーザーで走っていた。珍しく一人。いつもこういう時は父付きの助手が運転手を兼ねて同行しているのだが、今回はエリエル自身のわがままで一人で学会に赴いた。
 それだけ、今回の学会には期待していたのだが、それだけ落胆も大きい。

 (やっぱり、おかしいわ、こんな事・・・)

 VR達は、有機体と無機質のハイブリッドであるが故、かつて人間だった頃に生じた多々の疾病を克服しつつも、新しく金属病や火星の風土病など、結果的にかつての頃と医学の必要性はさほど変わらない。
 そんな中、最近になってVクリスタルの新しい制御法が発見され、今までリバース・コンバートは武装や装甲・・・いわゆる後付の情報にしか使えなかったのを、人体に適用する事で体の再生を図ろうではないか、という意見が医学界に持ち上がってきた。
 
 が、それはかつてのクローン技術と同じ弊害を持つ。
 体の体組織まで再構築すると言うことは、その情報をVクリスタルに記憶させると言うことに他ならず、それは可能性として「母体から、自身と全く同じ個体」が生まれる危険性を孕んでいた。
 自分自身を生む・・・・・・。その危険が示唆されても、一部に頑強な「体組織の再構築容認派」は存在した。
 
 (でも・・・・・・わからない訳じゃ、ないものね・・・)

 一部の地域より広まって来た金属疲労病・・・。たしかに、抜き差しならない自体だと言うことはわかる。が、タブーを侵してまで解決策を出さねばならないのか?
 命を救うのに、理屈はいらないはず。だが、そのためにより多くの犠牲を出すことは許されない。
 医学に携わる者として、避けては通れない命題。だが、答えは出せない。
 そのことにエリエルはいらだち、気は急いた。

 「・・・・・・・・・!?」

 目の前に人影。こんな・・・何もないところに?そうエリエルが訝る間もなく、人影は手にした銃剣型ランチャー、「スライプナー」を構える。

 野盗の類だろうか?少なくとも、話し合いの通じる相手ではない。そう判断したエリエルは、「対偶の法杖」をリバース・コンバートする。
 
 (戦うの・・・?私が・・・)

 





◇ 問題 ◇

テリー・ボガードの超必殺技、パワーゲイザーはKOFシリーズのタイトルによっては
コマンドを簡略して出す事が可能です。
その簡略コマンドをテンキー表記に照らし合わせて
下記アドレスに打ち込んでください。

789
456
123
 上
左N右
 下
テンキー表記参照


http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventvrctiyug○○○○.html




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