-サンテ=アント-



 サンテは、火星の赤茶けた大地の上をミーヴァと呼ばれる小型の飛行ユニットで飛んでいた。
 火星第24番都市ヴァーン・ドースから22番都市スネアレイルまでの長距離飛行。距離にしておよそ1200キロの道のり。この距離をこの小型ユニットで移動しよう、などと普通のVRならまず不可能。それが可能なのも彼女が空中機動に優れたマイザークラスのVRだからであっての事だ。
 が、それでも何度か休息のために着陸する。

 (まったく・・・・・・今時のVRは皆退化しちまってる、たんていうのは本当なんだろうね)

 サンテは、ミーヴェを外し、丘陵の上、手頃な岩塊に腰掛け嘆息した。

 曲技飛行隊「ルージュ・ヴァントーズ」。彼女はそこに所属するトップクラスのエアライダーだが、仲間と「誰が本当のトップか?」などと言うことで口論となり、その結果サンテがミーヴェだけで長距離飛行をしてみせると言い張った事が今の状況である。
 実際にそういった行動を起こしたのはサンテだけだったのだが・・・。
 それでも、サンテは一度言った事を引っ込められるような性格ではなかった。

 (大体・・・・・・アールもキャノメも、技術偏重でさ・・・最後にモノを言うのは、結局気力・・・精神力の問題でしょううに)
 
 彼女は、自分と同格の力量を持つ仲間を思い浮かべ、そう思う。
 そういう自分も十分偏屈だ、とわかってはいたのだが。

 (でも、ま。この分だと今日中には着けそうね・・・・・・)
 
 別に、ここで自分の持論を実証したとして、何がかわるわけではない、というのはわかっている。
 結局の所単にサンテ自身の見栄と意地のもんだいなのである。

 と、そのサンテの目前をライフルの火線が走った。

 「・・・・・・!?」

 考えるより早く、体が動いてサンテはその場を飛び退いていた。

 「彼」は、そんなサンテを見て思わず舌なめずりをする。

 ・・・いい反射神経だ。そういう事だろうか?

 「なんだよ・・・・・・手前!」

 そうタンカをきりつつも、サンテの直感は全力で危険を告げていた。




◇ 問題 ◇

くにおくんの熱血行進曲 それゆけ大運動会 で、マッハチョップを必殺技とする
キャラクターの名前をローマ字で下記アドレスの○の部分に打ち込んでください。

http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventvrcmyzrg○○○○.html




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