-凪-



 武者修行。そのつもりだった。
 仮想空間内で、定められたレギュレーションにのっとり戦闘を行う。M.S.B.S。痛覚まで存在する限りなくリアルな仮想現実。
 だが、所詮仮想。本物の「死」を伴わない戦いでどれほど得るものがあろうか?

 そう思っての武者修行。だが、彼女の申し出、「生死を賭けての真剣勝負」につきあってくれるような酔狂な・・・あるいは狂人じみた・・・VRなど、そうはいない。それこそ、戦う相手から探さねばならなかった。

 彼女が、何日もの時間をかけて都市から都市へ徒歩で移動していたのは、単純に「これも修行のひとつ」と思っての事だったが、ここで「彼」に目をつけられたのは彼女にとって幸運と言えるのか、それとも不運と言えるのか。


 「お主・・・相当のもののふよな。・・・拙は名を平敦項静景美品枝、号を泉空、字を凪という者。主にその気あらば、一手お手合わせ願いたい」
 
 時代がかった、持って回った言い回し。彼女なりの「真剣勝負」の申し込み。

 「彼」は、笑った。そう見えた。
 その様子の異様さに、ようやく凪も気づく。

 「お主・・・?・・・・・・なるほど、噂に聞いた魑魅魍魎の類。影の者か・・・」
 彼女は、そう呟くと愛用の二振りの刀、「閃空」と「愚風」、そしてかつての侍の甲冑にも見える装甲をリバース・コンバートする。
 「生無き屍人ととは言え、その物腰。かつては名のあるもののふだったのであろう。現世に迷うことも本意ではあるまい。常世の国へ、拙がお送りしよう」

 低く構え、「閃空」と「愚風」を構える。

 「イィィィヤァ!!」

 裂帛の気合いと共に二振りの刀を振り下ろすと、刀身から発したソニック・ブレードが「彼」の脇をかすめる。

 
 彼は、微動だにせず銃剣スライプナーを持ち上げた・・・。





◇ 問題 ◇

サムライスピリッツ零の主人公、徳川慶寅が条件付きで使用が可能になる必殺技
「遊蝶華」 その一般的な呼び方を英語で下記アドレスの○の部分に打ち込んでください。

http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventvrckagekiyog○○○○.html




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