-ヤン=ロン-



 後悔はない。・・・と言えば嘘になるだろうか?
 ここのところ部隊に作戦も何も降りてこず、ただ無為に時間だけが過ぎていっていた。
 それはそうだ。ここ数年、まともな作戦行動など一度もない。いや、何より千年近く、まともな戦争など一度も起こっていないのだ。あるのは、国際戦争公司の計らいで小規模な局地戦があるばかり。
 それはかまわない。戦う事に、どうしようもなく惹かれる自分がいることは重々理解していたから。
 ファイティング・ハイになるような柄でもないが、相手も似たような者。似たもの同士戦って、給金を貰う分にはなんら不都合はなかった。
 だから、宣伝のためにDNAの基地を襲うという作戦を知った時、どうしようもなくなって、結局情報をリークした。
 訓練時から、「なんのために戦うのか」などと気にするようでは兵士たりえない。必要なのはハウ・トゥ・キルであり、上官の命令に絶対服従の忠実なる人形・・・。それが一流の兵士だと繰り返し教え込まれた。
 それにして、こうだと言うことは、自分にはもともと向いていなかったのかもしれない、と自嘲気味に思う。

 ヤンは、赤茶けた火星の都市間を結ぶ幹線道路を歩いていた。逃走に使ったクルーザーは乗り潰し、あとは数百キロの道のりを大昔の旅人さながら歩くしかない。
 火星は、都市部以外は開発が進んでおらず、岩と砂ばかりの赤い大地の上を一本の道路が延々と続く様はかつてのアメリカ大陸を彷彿とさせる・・・。

 
 ・・・良い。「彼」はそう思った。

 今の「彼」に躊躇や罪悪感などはなく、あるのは純粋な欲望。
 目の前の女性をめちゃめちゃにしたいと思えば、ただそのために行動するのみ。

 「・・・!?」
 ヤンが、とっさに反応する事ができたのはある意味で必然だった。そう、「彼」が見初めた者なのだから、何の力もない子兎では困るのだ。

 「・・・・・・何者だ・・・?」
 いつの間にか正面に立っていた得体の知れない男。軍にあって、自分とまともに1on1でやりあえる者はそういない。そういう自負はあった。だから、ヤンはその男を見た瞬間、首筋に冷たい汗が流れるのを感じた。

 にぃっ、と「彼」の口元が笑みの形に歪んだようだった。

 ヤンは、もの言わず虚空から体の一部でもある「ダイナミック・トンファー」を再構築した。





◇ 問題 ◇

カプコンのベルトスクロールアクション、バトルサーキットに登場する主人公は
サイバーブルー、エイリアングリーン、ピンクオーストリッチ、イエロービースト、キャプテン○○○○
○の部分に入る色の名前を下記アドレスの○の部分に打ち込むこと。

http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventvrcjcg○○○○.html




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