- ジノ・ヴーリアン -

ホライゾン・ヒルにやってきたのは8ヶ月ほど前。当初の1ヶ月ほどは街の診療所で傷ついたハンター達の治療を行っていたが、それ以後はどういう理由からかハンター達に同道するようになった。

聖職者の見本のような性格で、多分に博愛主義。自己犠牲も厭わず、周囲の人間を慌てさせる言動も多い。ハンター達からは特に大事に扱われている。


ロングメイスを携帯しているが、あくまでも護身用で彼女は狩りには参加しない。そのため、滅多に彼女がメイスを振るう光景は目に出来ないが、僧兵と呼んでもさしつかえないほどには扱えるらしい。



- ジノ・ヴーリアン -

変わり者の多いこのホライゾン・ヒルにあって、おそらく周囲のハンター達から最も酔狂な存在だとして扱われているのがジノ・ヴーリアンであろう。
ジノ・ヴーリアンはカリオン教の司祭だ。
カリオン教は船乗りの街から起こったとされる歴史のある宗教で、カリオンの車輪と呼ばれる舵輪のような物をシンボルとして崇めている。

「よぅっ、ジノ!確か明日は空いてるんだよな?」
「ジノ、この間の約束だがなぁ、今からってのは無理かい」
「お、ジノ。相変わらず美人だねぇ。どうだい、今夜つきあわねぇかい?」

ジノがキャノン・ボールに姿を見せるなり、どっとハンター達がジノの周りに押し寄せてくる.
ジノはこの街でたった二人しかいない治療の魔法を使える人間だ.一人は病院にいる専属のヒーラーだが、ジノの場合は修行の一環としてハンター達と共に狩場に赴くという点が大きく違っていた.
彼女自身が狩りを行うわけではないものの、すぐそばに治療士がいると言うのは常日頃から命がけの狩りを行っているハンター達にとって、どれほどの助けになるかは言うまでもない。そのため、狩りに出る際ハンター達はは可能な限りジノの同行を求めようとする.

「あ、あの、皆さん・・・」

むくつけきハンター達に囲まれ、ジノは苦笑する。

「申し訳ありません、今日はミューラーさん達とご一緒させていただく予定なのです」
「ありゃ?そうだったっけか。・・・ま、なら仕方ねぇなぁ」
「次は誰んトコだったかね?」

普段は粗野なハンター達でも、ジノが自分達にとってどれほど貴重な存在であるか知っていたし、ジノが自分達のためにどれほど心と体を砕いてくれていることを知っていたから、無理強いをすることなどはまずなかった。

が、それは少なくともホライゾン・ヒルに来て少なくとも1〜2ヶ月は経っているハンターでなければわからないことで、先日やってきたばかりの二人のハンター、ファルヴェルとアレクセイはそんな様子を奇異な目で見つめていた。

「・・・なんだ、ありゃ?」
「さぁね・・・。しかし、なかなかいい女だよな」
「お前もそう思うか?」
二人のハンターはにぃっと野卑な笑みを浮かべた.


「大丈夫、二日もあれば戻ってこられますから」
「ええ。いつもの事ですが、欲をかかず、注意を怠らず、帰るときは真っ直ぐに。何事も、命あっての物種ですよ」

それから数日後。ジノはスォードの詰め所に訪れていた.その後ろにはファルヴェルとアレクセイが控えている。

「ファルヴェル、アレクセイ。ジノをよろしくお願いします」
「任せておけ。腕の一本や二本、無くしたってジノがいればくっつけてももらえるんなら、そのぐらいの事はやってみせるさ」
「ああ。こんなに早くジノに同道願えるんだから、俺達は果報者さ」

ホライゾン・ヒルのハンター達は、狩りに出る前はまずスォードに顔を出すのが習慣になっている。
そこで、狩りの目的地にその滞在期間を告げておく。そうすることで、滞在期間をオーバーしても帰ってこないという事があればスォードが独自の判断で救出に向かうと言う手順になっている。

ファルヴェル、アレクセイ、そしてジノの三人が狩りに出かけてしばらく後、新しいチームが狩りへの出発報告をしにスォードの詰め所を訪れていた.

「・・・だろうな。まぁ、二日とはかからないさ」
グータフにアナトール。ホライゾン・ヒルに来る前から長い付き合いだと言う二人のハンターだ。
「グータフ、アナトール。ひとつ、お願いがあるのですが」

簡単な手続きを一通り終えた後、恭しくスォードが口を開いた.その様子に、何事かとグータフとアナトールはお互い顔を見合わせた.

「・・・なんだよ、改まって?」
「スォードが頼みごとなんて珍しいな。なんなんだよ」
「いえ、それほどの事ではないのですが、あなた方の今回の目的地に、ファルヴェルとアレクセイ.それにジノが同行してまして」
「アレク・・・?ああ、この間来た新入りな」
「何かあるのかよ?」
「いえ、何という事ではなく、ちょうど同じ場所ですから。もし見かけたら気にかけていただけないでしょうか?」
「気にかける?」
「・・・ええ。アレクセイとファルヴェルは狩りの経験も浅いでしょうし、その二人にジノが一緒にいるのですから、多少心配になりまして。ですから、もしお二人が彼らを見かけて、何か困っているようなら手助けをして差し上げて欲しいと」
「なんだ、そんな事か。そんなの、スォードに言われるまでもないさ。ジノに何かあったら困るのは俺達なんだからな」
「ああ。見かけたら気にかけるよ」
「よろしくお願いします」


「・・・なぁ、さっきの話.どう思う?」
「どうって、何がだよ?」

それから数刻後.狩場へ向かう道中の馬上で、グータフは神妙な顔をしてアナトールに話し掛けていた.

「鈍いね、お前も.スォードがあんな風に頼みごとをするなんて普通じゃないぜ」
「そうか?スォードは人がいいからさ、あんなもんじゃないの?」
「だからお前は詰めが甘いなんていわれるんだよ。いいか?新人つったってファルヴェルとアナトールはガキじゃないし、素人でもない。
田舎から出稼ぎに来た猟師でもない」
「まぁ、俺はあいつらの事はそんなに知らないけど・・・見た感じ、流浪の兵法者とか傭兵崩れって感じだよな」
「多分だけどな、スォードはあいつらがジノに何かするんじゃないかって危惧してるんじゃないか?」
「何かって?」
「・・・皆まで言わせるな。阿呆」


「・・・いくら私がいるとは言っても、あまり無茶をされては」

眉をしかめ、ファルヴェルの腕の傷を治療しながらジノは言った.

「ははは、いや、こいつぁ凄い.実際に見るのは初めてだ」
「ジノにゃ悪いが、こういうときこそ稼ぎ時だからなぁ。多少の無茶は多めに見てくれや」

ファルヴェルとアレクセイのその発言に、ジノは苦笑しながらふっと嘆息した.


その夜。水辺に狩りを終えたファルヴェル達が露営のためのテントを立てていた.

「いやぁ、飯ってのは材料が同じでも作る人間が変わればこんなに変わるもんかねぇ?」
「だよなぁ。こりゃ、ジノが引っ張りだこになるのもわかろうってもんさ」
「ありがとう」
「・・・で、だ。狩りも無事に終わった。飯も食った。後は寝るだけだろ?」
「ええ?」

ジノを挟み込み、ゆっくりとにじり寄るファルヴェルとアレクセイ。

「そうさ。あとは寝るだけ.わかってんだろ?」

そういうと、アレクセイは一気にジノを押し倒した.

「あっ!?」
「大体よ、こんなところに女が男と一緒にいるってんだから、どういうことかわかるよな?」
「へへへ・・・そういうこと。楽しもうぜ、ジノ」
「そ、んなっ・・・!やめてください!私は、そんなつもりで来た訳じゃっ・・・!」
「何言ってんだ。じゃあ、今まで他の連中と一緒だった時、一度もこんな事がなかったっていうのか?」
「そうです!皆、分別をわきまえてらっしゃいました!あなた方だって、自分が何をしているかわかる程には大人でいらっしゃるでしょう!?」
「へっ。司祭様のおっしゃりそうな事で」
ファルヴェルとアレクセイは二人がかりで強引にジノの法衣をむしりとった。


「お、おい、グータフ!」

木陰に背をもたえているグータフに息を切らせてアナトールが走りよってくる。

「なんだよ、騒々しいぜ」
「それどころじゃねぇよ!そのものビンゴだ!」
「なにが?」
「スォードの言ってた話だよ!こっから東に下ったところ、ファルヴェルとアレクセイがいやがった!」
「お、おい!ってお前」
「ズバリだよ!ジノがヤバイって!」
「バッカ野郎!それ見て引き返してきたのか!」
「そ、そうは言ってもよ・・・あ、相手は二人いるし、それに、その、なんつーか・・・お互い合意の上だったりしたら・・・」
「そんな雰囲気だったのかよ?」
「・・・や、多分それはないな・・・」
「糞っ!俺がこんなでなけりゃあ・・・!」

グータフはそう言って自分の足を見下ろす.添え木が当てられ、その上から包帯が巻かれている。些細なミスで足をすべらせ、骨折をした結果だ。

「・・・どうする、グータフ.俺だって腹をくくるぜ」
「いや・・・飛び出していって、ジノにもしもの事があったら・・・取り返しがつかない・・・。スォードになんていえばいいんだ?」
「じゃあ見なかった事にでもするか?」
「そうしたいのかよ?」
「んにゃ・・・」

そう言って、あごに手を当てて考え込むグータフ。

「アナトール。今からホライゾン・ヒルまで飛ばして、スォードに連絡をつけるんだ。その間、俺が連中の見張りをやる」
「見張りって・・・」
「本気でジノの命が危うくなるようなら、なんとかするさ。あの時、ジノがいなきゃあ死んでいたっておかしかないんだ。」
「なら、俺が見張りに」
「無茶言うなよ。俺の足で、馬を早駈けさせるのは無理だ」
「・・・わかったよ。すぐに戻る」
「頼むぜ」


「・・・・・・そうですか」

ホライゾン・ヒルはちょうど夜明けを迎えたところだ。
スォードは、詰め所で肩で息をしているアナトールと対面していた。

「すまない、スォードに頼まれてたってのに、俺達は・・・」
「あなた方の責任ではありませんよ。むしろ、自分で思ったことを本気で考えなかった私のミスです」

スォードは態度こそいつもと変わらぬ温和なものだったが、その目はおそろしい殺気を孕んでいた。

「今、グータフがやつらを見張ってるが、どうなってるかわからない。早く行ってやってくれ」
「そのつもりです。アナトール、あなたは休んでいてください。何が起こったにせよ、あなたが現場にもう一度とって返した頃には
収拾はついているでしょうから」






































アナトールの話を聞くに、危惧していた事がそのまま起こってしまったと考えられる。
現場にいる人間は四人。となれば必要な物は・・・。

・まず、ジノ自身が優秀なヒーラーであるが、基本的に自分の傷は治療できないらしい。となれば・・・。

・ジルジラに乗せられるのは一人だけ。グータフとジノのどちらを運ばなければならないかは不明だが、残される一人を考えると、その間ファルヴェルとアレクセイを拘束する必要があるかもしれない。

・水と食料に関してはジノ達自身が持ち込んだ物があるはずなので、持っていく必要はないはずだ。




*これらの状況を踏まえ、必要な物資を決定し下記アドレスの○の部分に打ち込んでください。*

http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventfmhjn○○○○○.htm

左から食料・水・医療品・露営具・その他救助物資となります。

例・必要な物資が食料1・水2・医療品2・露営具3・その他救助物資2の場合
http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventfmhjn12232.htmとなります。





□ ルール説明
救助に赴く際、スォードはジルジラという飛竜を使って移動します。
負傷者の運搬や水、食料、医薬品と言った物資も同時に運ぶ事になりますが、ジルジラに積める物資の量は数値に直すと最大で10までしか運べません。状況を洞察した上で、必要な物資のみを選別して救助に向かってください。
ただし、必ずしも重量を10まで物資を積まなければならない訳ではありません
ですが、仮に重量を7までしか積まなかったとしてもジルジラの移動速度が変わる事はありません。
ジルジラの背にはスォードに加えて一度に1人しか乗せる事は出来ません。
また、状況によってはスォード自身も人数に入れる必要があるので注意が必要です。

□ 救助物資種類
食料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基本重量」=「1人分」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基本重量」=「2人分」
医療品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基本重量」=「2人分」
露営具・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基本重量」=「3人分」
その他救助物資(衣類、ロープ等)・・・・・・・・ 基本重量」=「1人分」

各救援物資には、持ち運ぶのに基本となる重量があり、それを減らす事は出来ません。
(水であれば基本重量2=2人分ですが、これを重量1=1人分にする事は出来ません。
どうしても三人分の水が必要ならば、水2×2人分=4人分の水を運ぶ必要があります)


つまり、各物資はその基本重量×nという数値にしかなりえません。







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