◇ 500000HITありがとう企画 ◇




- In the full Moon -







「‥‥‥ん?見ない顔だな。おいアンタ、ここは初めてか?‥‥‥だと思ったよ。なら、俺についてきな。この街を案内してやるよ。なーに、金は気にすんな。お前さんみたいな素人からふんだくろうって気はねぇよ。」

「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥なんだって?一文無しだぁ!?‥‥‥全く先が思いやられるぜ。まぁ、いいさ。出世払いにしてやるよ。お前さんがワンウィークハンターにならなけりゃあ、大丈夫だろう。‥‥‥OKついてきな」


「そうそう、聞くまでもないと思うが、お前さんハンター志望だよな?‥‥‥まぁ、その格好と面構えをみりゃあわかる。何、そう警戒すんなよ。俺はこうやってお前さんみたいなルーキーを案内して小金を稼いでるけちな野郎さ。ま、本業は別にあるんだがね?‥‥‥ああ、見えてきたぜ」

「あのDDって看板が見えるか?‥‥‥よーし、見えてるな?ありゃあ病院だ。この街に一軒きりのな。医者はもちろん、酔狂なヒーラーも一人いる。料金は割高だが、命あっての物種だ。ま、世話にならなきゃあそれに越した事はないがね」

「‥‥‥あの看板、わかるか?鍛冶屋だ。武具のメンテナンスもやってる。自分の命を預ける武器やら防具だ。手入れを怠るなよ?」

「‥‥‥しかしなんだな、お前さん。やっぱりここで一山あてようって口か?それとも、面倒でも起こして国から出てきたのか?いやいや、隠さなくってもわかる。ここに来るような奴らは、大抵が世間からはみ出したアウトローよ。傭兵崩れ、武者修行の兵法者、一攫千金狙いの駆け出し戦士・・・。そんな連中でもなきゃあ、こんな辺境にだれが好きこのんで来るもんかい。だからよ、この街じゃあ、他人の過去をあれこれ詮索するのはタブーなんだ。同業者の不評を買っちゃあハンターとしてはおしまいだ。重々気をつけな‥‥‥おお、あそこだ」

「ただの酒場だって?馬鹿いっちゃいけねぇ。ここいらの酒場は、みんなハンター共の溜まり場さ。仕事がない日はここらで飲んだくれてるし、仕事がある日はここでメンツを集めるんだ。まぁ、しょっちゅう顔を出していれば、嫌でも顔は覚えられるさ」


「それじゃ、頑張んな。‥‥‥あ?これで終わりかだと?おいおい、ふざけるんじゃないぜルーキーさんよ。こちとら秒単位で綿密に組んだスケジュールの合間を縫ってお前さんをわざわざ案内してやったんだ。あんまりふざけた事抜かすと、身ぐるみ剥いで尻から飛竜の口ん中に突っ込むぞ?‥‥‥ま、もうちっと細かい事は、その辺のハンターに聞きな。相手が良けりゃ、親切に答えてくれるだろうさ。‥‥‥そうそう、金は二、三日したら取りに行くからよ。何だって?馬鹿か、お前は?『出世払い』ってのはここじゃあ『二、三日以内に払います』って意味だ。いいか、5000ルーブだ。ちゃんと用意しておけよ」











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