− 鳳来 −




 「・・・終わったな」

 「ああ」

 そこはさながら合戦の場。累々と倒れ伏す屍の中に、数人の人影。
 悪名高き領主の館を前に、領民達と領主が軍の間に起こった小さな戦争。
 その結果は、領主が倒されることで幕を下ろした。
 領民達が雇った七人の戦士の手によって。

 「・・・もう行くのか?」

 壮年の男が、女の戦士の声をかける。

 「戦が済めば、我々もまた領民達には必要のない存在だ。発つ鳥は後を濁したくない」

 鳳来、と呼ばれた女戦士は、そう言った。

 「そうかもしれんな。・・・時に鳳来。貴公の名を教えてはもらえんか?」

 もう一人、独眼の男が尋ねた。

 「私は鳳来。それ以外の名は持たない。・・・・・・ありがとう、貴公らと共に戦えた事は、私の語り草のひとつとなった」

 「・・・それは、こちらとて同じ事です。鳳来さん。いずれ、どこかでまたお会いしましょう」

 まだ、少年と言っていい戦士が言った。



 鳳来、という女戦士の名は世間には知られていない。だが、戦士達の間に、虐げられた人々のために戦う女戦士の風聞は聞こえていた。
 時を問わず。場所を問わず。現れては人々を救う、と。

 
 森に響く泣き声。鳳来がその声を聞きつけたのも、何かの縁であろう。

 「どうした、少年?」

 森の中、泉のほとりで泣き叫ぶ少年。鳳来はその少年に歩み寄ると、かがみ込んで少年の顔を覗き込む。

 「お姉が、お姉がぁ」

 少年は、泣き叫び姉を呼ぶばかりで、要点をえない。

 「少年。おぬしの姉の身に、何かあったか」

 少年から断片的にえた情報は、姉が野伏に連れ去られたらしいという事。

 「少年、お前は村まで走れ。そして、大人を呼んでくるのだ」

 「駄目だぁ・・・大人ぁ皆野伏怖がってぇ、誰も助けちゃくんねぇ」

 鳳来は、泣きわめく少年の襟首をつかみ、自分の眼前へと引き寄せる。

 「なら、おぬしが助けに行け。大事な姉なのだろう?おぬしが行かんで、誰が行く?」

 「俺ぁ、俺ぁ・・・・・・」

 「・・・私も行こう。多少なりと手助けが出来るやもしれん」


 
 洞窟を利用して造られた、天然の要塞。少年の話を統括するに、ここが野伏の根城で間違いは無さそうだった。
 入り口に、歩哨が二人。

 「姉ちゃん、俺ぁ・・・・・・」

 「おぬしがそのような事でどうする?・・・おぬしが気張らねば、姉君を助けるなどとてもおぼつかん」

 鳳来は、そう言って堂々と歩哨の前に姿を見せる。

 「なんだ、貴様」

 「先ほど貴公らが捕らえた女性を返してもらいに来た。・・・・・・覚えがあろう?」

 「知らん・・・なっ!」

 そう言うや、構えた槍を振りかざし鳳来に襲いかかる歩哨。
 が、次の瞬間には鳳来の手刀を首筋に受け、地面に倒れ伏していた。

 「・・・間違いはなさそうだな。・・・少年?」

 見ると、歩哨の槍を拾い上げる少年の姿。

 「・・・や、やるよ、俺。お姉を助けるんだ」

 震える手を握りしめ、立ち上がる少年に鳳来は微笑を向ける。

 「その意気だ。私も、微力ながら力を貸そう」


 鳳来という戦士の名は知られていない。だが、各地を放浪し、虐げられた人々のために戦う戦士の風聞はそこかしこで聞かれていた。
 時を問わず、場所を問わず。





− 鳳来 −
物理戦闘力
魔法戦闘力
直感
知名度
精神力





「流浪の戦士であり、その一切の素性が知れぬ彼女の事、強制的に同行して頂くより他に方法はないと思われる。
その場合、気にかかるのが彼女の持つ盾のようなもの。おそらくあれは東方三神器のひとつである”力の盾”そのレプリカだと思われる。力の盾は対象のありとあらゆる力を吸収、解放する盾で、あの盾には物理、魔法、精神その他あらゆる攻撃が通用しないと思われる。が、その理論は”盾の所持者に対して向かってくる全ての意志を吸収する”というもの。ゆえに天然の災害等は防ぐことはできない。

具体的には、彼女に一方的に押し切られる事が無い程度の身体能力。およそ彼女の半分程度か?持久力と直感を気持ち程度に。残るは全て魔法力に注ぎ込むべし。






*対象の上記の能力と状況を踏まえ能力の割り振りを決定し、下記アドレスの○の部分に打ち込んでください。*

http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventmchri○○○○○.htm

左から作戦、身体能力、魔法力、直感、持久力、カリスマになります。
例・能力の割り振りが身体能力6、魔法力3、直感5、持久力2、カリスマ4の場合
http://www116.sakura.ne.jp/~jr/eventmchri63524.htmとなります。




□ 分身の能力 □

能力 身体能力・・・分身の身体的な要素、すなわち腕力の強さ、頑健さ、俊敏さ等を示します。

魔法力・・・・・・分身の持つ魔法力の総量です。この値が高いほど使える魔法が増えます。

直感・・・・・・・・・いわゆる第六感。危機察知能力、気配感知能力等の高さを示します。

持久力・・・・・・身体能力とは異なる分身の有効活動持続時間を示します。

カリスマ・・・・・この能力が高いと自分の行動に対し自然と他人の関心を惹く事が出来ます。

分身の能力の総量は、数値に変換するとおよそ20程度です。能力的にはあくまで最低限のものですので、常に20の値を全て使い切り、能力に割り振ってください。
*能力の下限は・上限は20です*