商業都市テルリッツ。西方大陸でも貿易の中心となる都市だ。 貿易の中心となるだけに、様々な交通網が完備されている。舟、馬車は言うに及ばず、飛行船の発着場さえある。 貿易船の多く集まるテルリッツ最大の港、カルベリア港。そこに、ひときわ目立つ巨体の舟が鎮座していた。舷側に刻まれた紋様から、ライデン=イオの船だとわかる。 「じゃあ、行ってくる。留守は任せたぞ、イーディ」 船の上から顔の半分を髭に覆われた男が顔を出し、桟橋の女性に声をかける。ライデン=イオその人である。 「行ってらっしゃーい。出来るだけ早く帰ってきてくださいねー!」 呼びかけられた女性は、朗らかな笑顔で大きく手を振る。イオ夫人、イーディである。 「奥様、そろそろお戻りした方がよろしいかと。潮風に当たりすぎるのはよろしくありません」 イーディの脇には、数人の小姓が控えている。 「そうね。仕事もたくさんあるから」 そう言って、イーディはまるで少女のような微笑を浮かべた。 イオ家の脇にしつらえられた道場。そこでは、イーディが槍を構え、流れるような動きで型を行っていた。イーディのためだけに造られた道場だったが、イーディたっての頼みで休日は様々な人間が槍術を習いに来る場になっている。 が、今はイーディが一人で汗をかきながら、黙々と型を行っている。 ひとしきりイーディが型を終えると、どこからともなく拍手が響いた。 「相変わらずお見事です、奥様」 道場の入り口に、番頭頭のクレメンツが正座して手を叩いていた。 「ごめんなさい、クレメンツ。つい夢中になっちゃって。何かお仕事?」 ライデンが留守の間、商売に関しては基本的に番頭達に任せられていたが、イーディの仕事も少なくはなかった。責任者としての肩書き、取引先への接待、商品の目録の確認と挙げていけばきりがない。 「ダラン様がお見えになっていますが、いかがいたしましょう?よろしければ私どもでご挨拶させて頂きますが」 イーディはあまり接待が得意ではない。歯に衣をきせられない、というよりは自然と思ったことを口にしてしまうからだ。その性分は基本的に商売をする上ではプラスにならず、その事は自分でも重々承知していたが、取引先ではイーディの同席を望む声も少なくなく、そういった場ではイーディはほとんど口をきかないことで対処していた。 が、それもライデンがいる時の話し。商品の買い付けでライデンがいない以上、責任者はあくまでもイーディである。 無論、そのことはクレメンツもよく理解している。つまり、彼は暗に「奥様が顔をお出しになることはありません」と言っているのだ。 「ありがとう。でも、そういう訳にもいかないわよね。先方だってわざわざ足を運んで下さったのだし」 「・・・はい、奥様」 「・・・・・でも、クレメンツも一緒に来てね?私だけだと何を言っちゃうかわからないから」 と、イーディは頬を赤らめながら言った。 |
− イーディ − | |||||||||||
物理戦闘力 | 7 | ||||||||||
魔法戦闘力 | 3 | ||||||||||
直感 | 2 | ||||||||||
知名度 | 10 | ||||||||||
精神力 | 7 |
彼女の過去を調べたところ、彼女の家は何らかのタブーに触れたため、没落する事となったようだ。彼女の人柄と周囲への影響を考えれば、そのタブーをついて彼女の任意による同行を求めるのが最も適当だと思われる。 具体的には、彼女をうまく説得するだけのカリスマが最低でも彼女の精神力を上回る程度に。次いで魔法力。あとは不足の事態に備え、持久力と直感を同程度といったところか。 |
□ 分身の能力 □ |
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能力 | 身体能力・・・分身の身体的な要素、すなわち腕力の強さ、頑健さ、俊敏さ等を示します。 魔法力・・・・・・分身の持つ魔法力の総量です。この値が高いほど使える魔法が増えます。 直感・・・・・・・・・いわゆる第六感。危機察知能力、気配感知能力等の高さを示します。 持久力・・・・・・身体能力とは異なる分身の有効活動持続時間を示します。 カリスマ・・・・・この能力が高いと自分の行動に対し自然と他人の関心を惹く事が出来ます。 |
分身の能力の総量は、数値に変換するとおよそ20程度です。能力的にはあくまで最低限のものですので、常に20の値を全て使い切り、能力に割り振ってください。 |
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*能力の下限は0・上限は20です* |